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2012DA14の距離と速度を求めてみる

先日撮影した2012DA14の写真から、この小惑星までの距離と速度を求めてみたいと思います。

離れた観測点で同時に撮影した画像からは三角測量の要領で小惑星までの距離を導き出すことは可能です。今回手にしているデータは1地点での1分おきの小惑星の位置(赤経・赤緯)です。このデータで何とか小惑星までの距離等が求められないでしょうか。

時間を変えて複数の観測があるという事は、地球が自転しているため、時間を変えて複数の場所で観測したのと同じ意味になります。もし、小惑星が地球の中心に対して相対的に動いていないとすれば、2つの時刻の位置から距離を求めることは可能です。しかし残念ながら小惑星は動いています。そこで「最小二乗法」というテクニックを使って、最も観測値を満足する小惑星までの距離と速度を推定してみます。ここでは、小惑星は「等速直線運動」をしているという仮定をします。数分程度の短い時間に限ればこの仮定は特に問題とはならないと思います。

観測値としては各時刻における小惑星の赤経・赤緯、求める値は小惑星の初期時刻における距離、赤道座標系における小惑星の速度ベクトル(Vx, Vy, Vz)です。その他、既知のパラメータとして、観測点の座標、観測時刻のグリニッジ恒星時を使用して、計算された小惑星の位置と観測された小惑星の位置の差の二乗和が最小となる組み合わせを最終解とします。最小二乗解の探索はグリッドサーチによって求めます。

準備として、各時刻の小惑星の位置を写真から読み取ります。astrometricaで写真を読み込み、星表の星とマッチングさせます。(2/27追記:下の写真は1/2縮小後ですが、縮小しない写真で読み直しました)
マッチング
写野の回転が大きくて自動ではうまくマッチングしなかったため手動でマッチさせました。画像が比較明コンポジットの結果だからなのかどうかわかりませんが、光度の違いによってrejectされた基準星(黄色)が結構あります。あとは小惑星の軌跡の切れ目にカーソルを当てて座標を読み取ります。

グリッドサーチをどのようにするかですが、最初は荒いグリッドで大まかにそれらしい値を求めて、徐々に刻みを小さくして行きました。小惑星の初期位置は、初回の観測(04:31)の小惑星が見える方向に距離を仮定して小惑星の赤道座標を求めました。本来、この初回の観測にも誤差があるのですが、とりあえずそれは無視しておきます。

最終的には、距離については100km, 速度については0.05km/sのサーチまで追い込みました。

結果は・・・
(2/27:2枚の写真からのデータを同時処理の改定)
速度:8.8km/s (Vx=-0.65, Vy=-0.50, Vz=8.80)
04:31における観測点から小惑星までの距離: 35,100km
平均二乗誤差: 22.8秒
各時刻における小惑星の位置と残差:
04:31:00 Lat= -1.7, Long= 95.5, H=31,871km
04:32:00 Lat= -0.9, Long= 95.3, H=31,895km : res=00d00m12.0s
04:33:00 Lat= -0.1, Long= 95.1, H=31,926km : res=00d00m25.0s
04:34:00 Lat= 0.7, Long= 94.9, H=31,964km : res=00d00m30.4s
04:35:00 Lat= 1.4, Long= 94.7, H=32,010km : res=00d00m40.2s
04:43:00 Lat= 7.7, Long= 93.1, H=32,633km : res=00d00m24.2s
04:44:00 Lat= 8.4, Long= 92.9, H=32,743km : res=00d00m18.8s
04:45:00 Lat= 9.2, Long= 92.7, H=32,859km : res=00d00m16.1s
04:46:00 Lat= 9.9, Long= 92.5, H=32,982km : res=00d00m08.5s
04:47:00 Lat= 10.7, Long= 92.3, H=33,112km : res=00d00m09.7s
(傾向を見るため1kmまでの高度を出していますがそこまでの精度はありません)

10分ちょっと離れた2枚の写真を一緒に処理しました。写真の1ドットが5秒角なので、残差としてはまずまずだと思います。事前の報道では、距離は27,700km, 速度は7.8km/sと言われていました。最接近時刻は04:33よりかなり前になったようです。小惑星までの距離に比べて、各測定の空間位置の違いはあまり大きくないので、距離に関する精度はあまり出ないでしょう。予報に比べてずいぶん離れて通過と言う結果になってしまいました。もし今後も興味が持続していたら、等速直線運動ではなく初期の速度ベクトルから常微分方程式を解いて各時刻の位置を計算してみたいと思います。

3/1追記
>初期の速度ベクトルから常微分方程式を解いて各時刻の位置を計算してみたいと思います。

ということでやってみました。地球と小惑星の間の運動方程式をRunge Kutta法で解きました。小惑星の質量はマスコミ発表にあった13万トンを使用しました。

速度:7.4km/s(Vx=-0.688,Vy=-0.435,Vz=7.386)
04:31における観測点から小惑星までの距離: 30,942km
平均二乗誤差: 4.5秒
各時刻における小惑星の位置と残差:
04:31:00 Lat= -1.0, Long= 96.2, H=27,767km
04:32:00 Lat= -0.2, Long= 96.0, H=27,802km : res=00d00m04.4s
04:33:00 Lat= 0.6, Long= 95.8, H=27,843km : res=00d00m00.9s
04:34:00 Lat= 1.4, Long= 95.6, H=27,889km : res=00d00m03.6s
04:35:00 Lat= 2.2, Long= 95.4, H=27,939km : res=00d00m02.5s
04:43:00 Lat= 8.3, Long= 93.8, H=28,521km : res=00d00m06.3s
04:44:00 Lat= 9.0, Long= 93.6, H=28,615km : res=00d00m03.3s
04:45:00 Lat= 9.8, Long= 93.4, H=28,714km : res=00d00m07.7s
04:46:00 Lat= 10.5, Long= 93.2, H=28,818km : res=00d00m03.9s
04:47:00 Lat= 11.3, Long= 93.0, H=28,926km : res=00d00m04.4s
見よこの残差の改善を!
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2012 DA14を撮影

なんかロシアの方では隕石騒ぎで大変なようですね。
折しも、2012 DA14という小惑星が地表から27700kmの距離まで接近するというニュースが流れていただけに、隕石のニュースを聞いた時には「もしや?」と一瞬思ってしまいました。

この小惑星が地表に最も接近するのは16日の04時33分頃。前日は雨が降ったりして、撮影に行こうかどうしようか直前まで迷っていたのですが、隕石報道に背中を押されるような感じで出かけてきました。

写真を撮るのであれば、最接近時はぜひとも収めたいところです。最接近の時間に小惑星がいる星域は南西の空で、高度は25度ほどしかありません。時間と共にだんだん高度は高くなっていくのですが、5時頃には薄明が始まります。その方向が開けている観測地で自宅から近い所と言えば筑波山か加波山です。ただ、15日の雨が上の方では雪になっているようなのであまり上の方には行けません。結局、筑波山のそれ程上の方ではない場所に行くことにしました。

事前準備として、この小惑星がどの辺に見えるのかを調べておきます。これほど地球に接近する小惑星となると、太陽の引力だけを考慮した通常の軌道要素は使えません。そういう場合には、非常に短い時間間隔に対応したいくつもの軌道要素を使って、必要な時間に対応する物を選択して計算する、と言ったことをしますが、最新のステラナビゲーターなどはそれを自動でやってくれるようです。当方が使っているステラナビゲータはとうにサポート期間が終了した古いバージョンなので、そういう便利な機能は無いようです。そこで、NASAのHORIZONS Systemというものを使って時間ごとの位置を正確に計算してもらいます。観測場所の緯度経度も予定場所のものを入れます。出てきた結果を加工してguide9に取り込み、星図の中に表示してみました。今回は、先日のNIWAKA衛星に比べれば動きも遅く、明るさも明るそうですので、光学系は同一のBORG 60ED+X0.85レデューサでカメラはデジタル一眼レフカメラで狙う事にします。

2012DA14guide9.png
最接近時の小惑星はコップ座としし座の境界付近を動いているようです。取りあえずファーストショットはフレームのど真ん中で最接近時の小惑星が収まるように、小惑星の04:33の位置をセンターにします。gide9で表示させたカメラフレームに小惑星が入ってくるのは前後2分40秒ほどなので、04:30~04:36の6分間を1分ごとに区切って撮影することにしました(もう少し短時間で区切った方が面白かったかもしれません)。

午前0時頃に外の様子を確認すると濃霧が立ち込めています。行こうかどうしようかの心の葛藤が始まりましたが、最終的には「行く」の心が勝ったようです。そして02時頃に家を出ます。

現地は標高130m位の場所で、非常に水はけが良くない場所です。比較的ましな場所を探して三脚を立て、セッティングをします。それにしても寒い。水たまりなどはすでに氷になっていました。

DSC_0647.jpg
心配した霧も、ここまでは上がって来てはいないようです。眼下には所々霧の塊のようなところがあります。きっと私の家はその中だったのでしょう。本当はこの写真の中に2012 DA14が居る筈なのですが、全然わかりませんね。

本番の撮影を開始する時刻になりました。時刻を正確に区切りたかったので、今回のレリーズは時計を見ながら手動で実施しました。
1202160433tcs.jpg
1分露出の6枚の画像を比較明合成でコンポジットしました。毎正秒に1秒間のブランクがあるので、その部分に時刻を書き入れました。写真の下から上に上がっていくのが今回ターゲットの2012DA14なのですが、それとは別の軌跡が右から左に動いているものがあります。それは良く見ると前後して4つの軌跡からなっているようです。恐らく静止軌道上の人工衛星かスペースデブリの類ではないかと思うのですが(恒星を追尾しているので、静止衛星は線になって写ります)。
2/17追記:静止衛星のようなものの一番明るいもの(時刻を振ったもの)について、赤道上空を回っていると仮定して地表からの高度を計算してみると、ちゃんと静止軌道の高度と同じ35,800kmになりました。東経95度の上空に居ると思われます。

もう一枚は04:41~04:47に同じく1分間隔で撮影したものをコンポジットしました。
1202160445tcs.jpg
こちらには人工衛星等は写っていませんでした。

NASAの予報値に比べて若干小惑星の方が先行して動いているように思いますが、かなりの精度で予報されていますね。

最接近時の写真をスライドビューにしてみました。

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そこに鉄塔があるから(北茨城線・勿来線) その2

今回の調査は泊りがけで来ています。

ベースにしていたのは小山ダムの駐車場です。
DSC_0611.jpg
以前、ダムカード(非公式)を貰いに来た時に、車中泊できそうだと目星を付けていたところです。
P2100065.jpg
ここに至る道路は夜間はほとんど通行量は無く非常に静かです。ダム管理事務所の向こう側にも駐車場があって、トイレも設置されているのですが、残念ながら夜間閉鎖されてしまいます。

P2100059.jpg
朝日が堤体に当たり、ゲートレスの非常用洪水吐の影が湖面に映っています。

このダムは石岡第一発電所の上流に位置するので、本当なら発電所まではすぐの筈だったのですが、前回も書いたようにその間の県道が通行止めになっているため、迂回路を通る必要がありました。

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その迂回路に設置されていた看板です(笑)

旧マップ
さて、再び昭和初期の地図に戻ります。石岡第一発電所からは南へ伸びる送電線が日立の大雄院にまで伸びています。その東側に沿って北上してきた送電線が発電所付近で弧を描き東に向きを変えています。この送電線は現在の勿来線・北茨城線とだいたい同じ場所を通っていたようです。
その更に東側の現存しない送電線は、大北川支流の花園川に当時あった華川発電所にまで至っています。

今回の追跡はここから始まり、常磐共同火力勿来発電所まで行ってみます。

P2090011.jpg
大北川を跨いで北に向かう茨城線と勿来線は、すぐに交差して東側と西側と入れ替わります。勿来線が上を通る個所では、北茨城線は背の低い2基の鉄塔になっています。手が届きそうなくらい地上に近いです。鉄塔番号は乙74(手前)と74-甲(奥)と微妙に振り方が合ってないです。

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この場所から若番側を見たところ。

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磯原町木皿に向かって東に向きを変える北茨城線です。写真は67号鉄塔。鉄塔武蔵野線で「改造鉄塔」と呼んでいたタイプの碍子の釣り方です。この辺りでは昔の送電線は現在の北茨城線の少し南側を通っていたようです。勿来線は少し離れた北側を走っています。

P2100136.jpg
やがて北茨城線は常磐自動車道北茨城ICの上を通過し、華川町臼場の工業団地の付近に達します。この辺りから、昔の送電線路とはかなり外れて行きます。工業団地内の工場に送電する支線をいくつか分岐します。

一旦ここで追跡を終了して温泉に。
うぐいす谷温泉竹の葉に行くことにします。ここの温泉は、加温・循環・非療養泉と泉質だけ見れば特筆すべきものは何も無いのですが、竹林に面した露天風呂と浴室の清潔さが割と気に入っている所です。
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P1000002_20130214231535.jpg

そして再び小山ダムに戻り車中泊です。

P2110149.jpg
関南町神岡上あたりで北茨城線は山から下りてきます。勿来線はまだ北側の山の中を走っています。昔の送電線路は勿来線の方に近かったようです。この辺りから徐々に経路が南北になってきます。

P2110165.jpg
関本町岩塙のあたりで、再び勿来線と北茨城線が交差し、東西が入れ替わります。北茨城線35号鉄塔では五浦線を分岐しています。

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その先、一旦4回線鉄塔に集約された後、再び北茨城線が西側、勿来線が東側の経路を取ります。昔の送電線経路は勿来線側のようです。ここから福島県いわき市に入ります。

その後、勿来の関跡の西側山中を勿来線・北茨城線共に北上して行きます。
P2110199.jpg
日本製紙の工場付近で再び勿来線と北茨城線は交差します。この先両送電線と共に東側に向きを変え、勿来共同火力勿来発電所に向かいますが、昔の送電線に沿っていたのはここまで。勿来線は折れ曲がり付近で日本製紙に枝線を出しますが、反対方向からも別の1回線送電線が来ています。
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柿の沢線という昭和29年9月建設の送電線でした。鮫川の上流の方にある柿の沢水力発電所から来ていると思われます。

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勿来線の9号鉄塔です。どう見ても傾いていますよね。

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2011年の地震で傾いたのかどうなのか。右側が沈んだのか、あるいは左側が浮いたのか。左側の土台部分に埋まっていた跡が見えないことから、右側の土台部分が沈んだのではないかと想像しているのですが。

P2110220.jpg
北茨城線が鮫川河口を越えていきます。

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勿来線も越えていきます。

P2110262.jpg
北茨城線、勿来線の1号鉄塔。右側が北茨城線です。共にこの辺りでは鉄塔番号の飛びがあるようです。発電所のこの部分は南側に面したところですが、以前は東側に回り込んで構内に入っていたようです。

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発電所北東側の少し離れた所から東北電力の常磐火力線が引き出されています。

P2110287.jpg
この辺りには鉄塔が林立しているのですが、じつは引き出されているのは常磐火力線だけです。植田線と言う66kVの送電線が常磐火力線に並架されてやってきて、勿来幹線に拾われて出て行っています。

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北側の離れた場所から引き出されている東電の阿武隈線と東北電力の勿来幹線。手前が阿武隈線。

常磐共同火力勿来発電所は、常磐炭田で掘り出される低品位の石炭を有効活用するために建設されたそうです。東京電力、東北電力と常磐炭田などの炭鉱会社の共同出資により昭和30年に建設されました。現在の株主構成ではほぼ東電と東北電力が半々で合わせて98%を取得しているようです。常磐炭鉱の末裔、常磐興産株式会社(スパリゾートハワイアンズの経営者)は今でも一応株主に名を連ねてはいます。

引き続き、歴史ある水力発電所関連を回ってみたいと思っています。

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そこに鉄塔があるから(北茨城線・勿来線) その1

最近は「ダムと鉄塔」などと、ダムに浮気をして二股をかけたりしている訳ですが、今回は久々に「鉄塔調査隊」です。

「歴史ある送電線路を巡る旅」の番外編です。

以前、石岡水力発電所を取り上げました。現在、この近辺の水力発電所で発電された電力は、北茨城線に連系して送電されています。

石岡発電所map
(国土地理院のうぉっちずで配信されたデータを使用しています)
現在の送電線路はこんな感じになっている訳なんですが、トレースされていない送電線は現存しない送電線なわけです。これがもっと昔の地図を見てみますと、昭和49年発行の5万図では以下のようになっています。
新マップ
(国土地理院発行昭和48年編集5万分の1地形図「高萩」謄本より抜粋)
上の地図よりはるかにたくさんの送電線が石岡第一発電所付近に集まっています(オリジナルは4色版です)。まだこの頃は常磐炭鉱の採掘が続いていた頃で、各炭鉱に電力を送っていた名残なのだと思います。常磐線の南中郷駅から、「常磐炭鉱中郷線」という石炭運搬用の特殊鉄道が引かれていたようで、その終着部が見えています。更に時代をさかのぼり、昭和11年発行の地図になりますと、
旧マップ
(国土地理院発行明治42年測図昭和8年要部修正測図昭和11年発行5万分の1地形図「高萩」謄本より抜粋)
現在の北茨城線・勿来線の母体となる送電線路が何となく見えています。先ほどの常磐炭鉱中郷線はもっと先まで伸びていて、県道10号日立いわき線の旧十石トンネルはその鉄道トンネルの脇に造られたようです(現在の道路トンネルは2代目)。

前置きが長くなりましたが、今回はこの地図で石岡第一発電所から伸びていた送電線に思いを巡らせ、北茨城線・勿来線を取り上げてみたいと思います。

北茨城線・勿来線は昭和30年代に建設されました。勿来線の方が若干古いようで昭和33年頃、北茨城線は昭和36年頃のプレートが多く見られます。共に、いわき市の常磐共同火力発電所を発し高萩市の常磐変電所に至ります。

P2090034.jpg
石岡第一発電所からの送電線は北茨城線76-1号鉄塔に接続してます。上の写真では右側の鉄塔に右側から繋がっているのが大北線という石岡第一発電所と北茨城線を結ぶ送電線です。石岡第一発電所の北側からこの眺めを見ていて、どうしてもこの周辺の鉄塔の足元に行ってみたくなりました。
googlemap.png
GoogleMapを見ますと、この場所の鉄塔はこんな感じに林立して「訳わからん」状態なんですが、今は北茨城線鉄塔が2基と少し奥に勿来線鉄塔が1基立っているだけです。

さて、どのように行けばよいのか地図を見ても良くわかりません。運悪く、石岡第一発電所の前の道はがけ崩れのため通行止めとなっています。北側の山の上(先ほどの鉄塔の写真を撮影した付近)から見ても、道があるようには見えません。一番上の地図によると、「関平」という地名の所から破線の道が送電線の方に向かって伸びています。少し手前の(老番側)の鉄塔の近くには行けると思われましたので、何はともあれ行ってみることにしました。

道の入り口は「十石堀親水公園」という場所にありました。

DSC_0623.jpg
公園にあった「馬力神」という石碑。馬が農耕や運搬の重要だった時代、飼っていた馬が死んだ時に供養のために立てていたのだとか。

DSC_0635.jpg
道はほぼ尾根沿いを通っているのですが、この道は人工の水路に沿って作られています。最初この水路は今は無き水力発電所に水を送る導水路だったのではと思っていましたが、江戸時代に造られた新田開発のための水路なんだそうです。なお、上の昭和49年発行の地図にはまだその記載がある大北川沿いに3つ並ぶ発電所マークの一番右側のものは今では廃止された大北川発電所のもので、常磐炭鉱の自家用発電所だったとのことです。

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少し開けたところに出るとそこには山神様の石碑が。今では忘れ去られて打ち捨てられているようなのが悲しいです。

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やっと鉄塔が見えてきました。勿来線71号鉄塔(手前)と北茨城線78号鉄塔です。一番上の地図で川と破線の道の間にあるシンボルがそれです。共に昭和36年9月の建設となっておりました。もう50年以上も経つのですね。鉄塔の足元から更に奥に降りる道があり、
P2100080.jpg
勿来線70号鉄塔はこちらと案内が。まさに行きたい鉄塔の番号。ナイスフォロー!と思いながら先へ進みます。
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こんな道をひたすら200mほど歩きますと・・・
P2100082.jpg
え!?こっちですか? 矢印の指す先は・・・
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一応階段らしきものは作られているようです。「えーい、ここまで来たら行くしかないだろ」と決心します。

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急な下り階段を降り切るといきなり難関が。橋が落ちてるんですけど・・・。その先はまた急な昇り階段が。

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急斜面にも拘らず、落ち葉で道が見えません。

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丸太橋キタ━(゚∀゚)━!!!!!

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この橋、通れません・・・

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お~!あそこに見えるのはきっと北茨城線77号鉄塔。
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昭和36年9月建設。見た目はもっと古そうなんですが。この近辺にもう一基鉄塔が立っていたように思われるスペースがありました。

次の鉄塔はもうすぐかと思いきや、もう一つ谷を越えなければなりませんでした(泣)

P2100098.jpg
あそこに見えるは北茨城線76-1鉄塔!石岡第一発電所からの送電線が接続している鉄塔です。この写真を撮影している場所は勿来線70号鉄塔の脇ですが、木が切り倒されていて、確かにGoogleMapのようにもう1基鉄塔が立っていてもおかしくは無いと思いました。それ以外の痕跡は無いのですが。

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北茨城線76-1号鉄塔下から76号鉄塔を望む。この間に昔はもう1基鉄塔が立っていたのだと思われます。76-1号鉄塔、76号鉄塔共に昭和36年9月の建設。

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北茨城線76号鉄塔の足元に、昔の鉄塔の土台と鉄骨の一部が残っておりました。直上に鉄塔を建てるので、原状復帰をする必要が無かったからでしょうか。今の76号鉄塔と同じL型鋼ですが、ずいぶん太さが細いです。今の76号鉄塔の建設は昭和36年ですから、それ以前に建っていた鉄塔の跡ですね。
P2100117.jpg
こちらが今の76号鉄塔の土台部分。昔の鉄塔はずいぶん小型だったと思われます。

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もう一か所の鉄骨部分も発見。その他、コンクリートの土台部分がもう一か所見つかりました。

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この場所からは石岡第一発電所の水圧鉄管が一望できます。素晴らしいです。

なぜこんなに苦労して鉄塔の足元に行くのか。そう聞かれても答えは決まっています。「そこに鉄塔があるから」(笑)。しかし、本当の苦労はこれから始まるのでした。

76-1号と76号鉄塔の間から、発電所の方に降りていく階段がありました。「なぁんだ。やっぱりあるんじゃない」と思い、70mほどの階段を降りて大北川に出ました。しかし・・・
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川が渡れない!ぱっと見、川幅も狭く簡単に渡れそうな気がしましたが、水力発電所が多数建設されるほどの水量の川です。かなりの急流で水深も深く危険な感じでした。
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一瞬送電線の土台かと思いましたが、昔ここに橋が架かっていた痕跡でしょう。洪水かなにかで流されてそのままになっているようです。これ以上川岸を歩くのは不可能そうでしたので、泣く泣く元来た道を戻ることに…。階段を何度も登ったり降りたりしたため、昔からの持病の膝の関節痛が発症してしまい、ものすごい辛い思いをした帰り道でありました。

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途中の沢で見つけた鉄板。もしかして古い鉄塔の一部かも知れませんね。

その2に続きます。
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茨城県のダムカード

以前、十王ダムなどの非公式ダムカードを紹介しました

昨年12月に、いよいよ水戸土木事務所管轄の飯田ダム、藤井川ダム、竜神ダムにて正式なダムカードの配布が始まりました。今までのダムカード配布と同じく、土日祝日には配布はお休みです。とりあえず、飯田ダム、藤井川ダムなら家から2時間もあれば行けますので、仕事の合間を見て行ってきましたです。

初めに笠間市にある飯田ダムです。
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飯田ダムは飯田川を堰き止めているダムなんですが、隣の涸沼川からも分水路を通して流入させています。全面越流方式の非常用洪水吐は茨城県で最初との事。
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ダム湖は「笠間湖」。中に小さな島がありますが、「水鳥の島」という名前が付いています。

ダムカードを貰うには、管理事務所で住所や名前を記入する必要があります。先客には千葉や神奈川など、県外の人が多く見受けられました。

藤井川ダムは、良く行くホロルの湯のすぐ隣にありました。
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この写真では隠れていて良く見えませんが、高圧ラジアルゲート1門と、流水調整用のジェットバルブが1門あります。ダム湖はコの字型をしていて、ホロルの湯を取り囲むようにしてあります。このダムは、非常用洪水吐が離れた場所に設置されています。
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赤に塗られたラジアルゲート3門からなります。良いアクセントになっていますね。

今回の成果。
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竜神ダムはかなり遠いので、またの機会に取っておくことにします。

折角来たのでホロルの湯に入っていくことにしました。
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入館しようと時計を見ると16時。17時からは通常800円の入館料が500円になります。うーん、勿体ない。でも早く帰りたいので800円払って入館です。それになんと、水曜日だとメンズデーで400円で入れるのだそう。水曜日に来ればよかった…


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久しぶりのオートキャンプ

「オートキャンプ」というものをやらなくなってからずいぶん経つのですが、久しぶりにオートキャンプをしてきました。オートキャンプをやらなくなってしまった理由は色々とあるのですが、引っ越してきて周りに同じ趣味の人が居なかったというのが理由の一つです。

以前は良く神奈川の丹沢の方にキャンプをしに出かけていましたので今回も同じ方面を選択しました。同行者が「直火をしたい」という事だったので、中川沿いの某キャンプ場に決定。二泊三日の行程で行ってきました。

夏休み中などはすごい混みようですが冬のこの時期はガラガラです。特に初日は平日だったこともあり、我々を含めて2組しか客が居ませんでした。やっぱりキャンプは冬に限ります。

以前使用していた道具類はすべて捨てずに保管してあったので、特に買わなければいけないものは無かったのですが、一緒に入っていた調味料の類などは賞味期限を四年以上過ぎているものばかりで、それらはすべて捨てました。

初日は16時頃現地に到着しましたが、テントを設営していると早速雨が降り出しました。今回は電源無しサイトでしたが、サブバッテリーを持ち込んで電気炊飯器で飯を炊きます。キャンプサイトなので火は使い放題ですから、鍋で炊こうと思えば炊けるのですが、放っておいても炊けると言うのは便利なものです。今回の同行者は昔の会社の同僚なのですが、酒を飲みながら昔話に興じている間に飯が炊けました。雨もやまず、スクリーンタープの中ではあまり火を使いたくなかったので、レトルト牛丼で簡単に済ませました。

次の日の朝になってもまだ雨がやみません。予報では昼頃には上がるとなっていたので、街に食材の買い出しに出かけました。ピザを焼いて食べたかったので小麦粉などを買います。この時期のピザ生地作りは発酵の為の温度を保つのがなかなか面倒なので、これもパン焼き器にやってもらいます。サブバッテリーはキャンプでも重宝しますね。予報通り雨が上がり、火を起こしていよいよピザ焼きです。

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ダッチオーブンはオートキャンプをやらなくなり始めたころに買ったため、今までほとんど出番がありませんでした。たまに使っても、煮込みなど別にダッチオーブンじゃなくてもできるような事にしか活用していなかったので、今回初めてダッチオーブンらしい使い方が出来ました。ピザなので、上からの熱を強くしたかったので、蓋の上に少し多めに炭を載せました。およそ20分後・・・

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じゃーん、完成であります。名付けてソーセージとアンチョビのコーンピザ。チーズ多めです。食べてみたら、うまい!。使用したソーセージはマックスバリューの銘柄も無きソーセージでしたが、これがいい味出していました。後でソーセージだけ食べてみましたが、その時はあんまり美味しくなかったです。

ここのキャンプ場には露天風呂があります。17時で閉まってしまうので、晩飯の準備の前に行ってきました。
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「温泉」とは書いてありませんでしたが、地下水を使っているそうで、柔らかい感じのお湯です。キャンプ場自体が貸切状態ですので、もちろんお風呂の貸切状態。誰も入っていないせいか、表面が熱くて底の方は冷たかったです。

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我々がテントを張ったサイト。中川川のすぐそばでした。水はかなりきれいです。

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こちらはバンガローのサイト。

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かまどVer.1。子供時代はともかく、中年のキャンプと言うのは半分くらいが食事を作ったり食べたりに時間が費やされるような気がします。それ以外は何をしていたかと言うと、火遊びなんであります(笑)。その火は調理にも使うので、一石二鳥なのであります。二日目の夜は寄せ鍋にしました。鍋を突つき、酒をしこたま飲んだ後には雑炊で締め。もうお腹の中にはこれ以上入るスペースが無いという状態に。

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揺らめく火を眺めているとなんとなく心が和みます。

最終日朝はパスタを作ります。
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同行者K氏、パスタソースを作成中。

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パスタに絡め炒めている様子。この後ケチャップを投入し、美味しいナポリタンが出来上がりました。

帰りには中川温泉に寄ってきました。
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「ぶなの湯」です。西丹沢の檜洞丸周辺はブナの原生林が広がっていることから名付けられたんだと思います。当方学生時代には登山などをやっていたのですが、丹沢縦走中に足の関節が痛くなり檜洞丸の手前で下山。それ以降は山に登ることはしなくなってしまいました。なので、檜洞丸にはまだ行ったことはありません。温泉はpHが10.1もあるアルカリ性単純泉。これだけpHが高い温泉ですが、ほとんどヌルヌル感はありません。分析表を見ると、炭酸水素イオンは検出限界以下のよう。源泉温度は33℃だそう。

車中泊では、できるだけ持ち物はシンプルにしているので、最近では火を使う事もしなくなりました。オートキャンプをアンチテーゼのように捉えていたかも知れません。食事も務めてシンプルに済ませるようにしていましたが、まぁ、外での料理に凝りたくなったらまたオートキャンプに行くという事で。。。
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夜行虫とは天体撮影等、夜に出歩くのが多いことから名づけました。夜光虫の誤変換ではありません。海に潜ったり温泉浸かったりも趣味です。

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