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PoleMasterをさわる

最近注目されているQHYCCD社のPoleMasterですが、天文ハウスTOMITA福岡店の5周年記念割引で、アダプター込みで3万ちょっとで買えるとあってついぽちっとしてしまいました。

PoleMasterとは、赤道義の極軸合わせを支援するための小さなカメラとソフトです。極軸合わせは一般的には赤道義の極軸についている極軸望遠鏡を覗いて、北極星を極軸望遠鏡の視野内のしかるべき位置(日時によって変わります)に来るように向きを調整します。この「極軸望遠鏡を覗く」という行為が、歳をとるにしたがって段々ときつくなってきています。地面に膝を着き極軸望遠鏡の接眼部の高さに顔を持って行き、斜め上方向を仰ぎ見る形で覗く訳です。この体勢は結構つらいものがあります。一連の動作はもう長いことやっていますので、それ程時間はかからずに極軸合わせはできるようにはなっているのですが、もう少し楽にできないものかと常々感じてはいたのです。

そこでPoleMasterです。

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なんだか昔のお菓子の入れ物のようなケースに入っています。

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これがカメラ本体です。付いているレンズは焦点距離25mmと書いてあります。下の赤い部分が赤道義アダプターです。

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赤道義の極軸の開口部にタカハシ用取付リングを装着したところ(赤い部品)。本当ならバランスウエイトの取り付けシャフトは降ろしておかないと極軸望遠鏡が塞がって覗けませんが、今日はその必要が無いので格納したまま。

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取付リングにカメラを装着したところ。今回は使い方を練習するだけなので望遠鏡は載せていません。

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ソフトを起動して接続ボタンを押すと、カメラで撮影された夜空が映し出されます。ビデオ映像なのでリアルタイムに更新されます。最初に、カメラの露出時間とかゲイン設定を行います。上の画面では北極星が一番明るく映し出されていますが、後の作業でその他の周りの星も写っていることが必要になるので、少し露出を多めにします。

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露出設定をOKすると北極星をダブルクリックするように指示されます。左上の方の円の中には、マウスカーソルがあるあたりの拡大画像が表示されています。結構収差で歪んだ形に映ります。

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北極星をダブルクリックすると、周囲のいくつかの基準星が赤い丸で表示されるので、それをモニターに映っている実際の星像に重なるように回転させて合わせます。

次からは、今の赤道義の極軸が何処を向いているかを調べる作業になります。
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北極星から少し離れた所にある適当な明るめの星を選んでダブルクリックします。今後の作業でこの星が時計回りに回転するように赤道義を回すことになるので、なるべく左下の方にある星を選んだ方が良いかも知れません。あまり端の方にある星も回すと画面から外に出てしまうかも知れませんので避けた方がよいでしょう。

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基準星をダブルクリックすると星がこの方向に回るように赤道義を回転させろと指示されます。45度位回転させれば良いように思います。

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先ほどダブルクリックした星が回転後に移動したところをまたダブルクリックします。そうすると先ほどの回転の指示がもう一度出ますので、同じように時計回りに星が回転するように赤道義を回し、更に選んでいる基準星が移動した先をまたダブルクリックします。

回転中心から半径が先ほど選んだ基準星までの長さの円が描かれるので、赤道義を赤経軸周りにまわしてもその円上に常に選んだ基準星が乗っているのを確認します。これがOKであれば、現在赤道義の極軸が向いている方向が推定できたわけです。

次から、天の北極に赤道義の極軸を合せる操作になります。
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赤道義の極軸を正しく合せた時に北極星があるであろう位置に緑の丸が表示されているので、そこに実際に映し出されている北極星が入るように赤道義の極軸の方向を動かします。

ここまでが極軸の疎調整と言う作業になります。次からは極軸の精密調整という作業になります。
先程の様に北極星をダブルクリックし、周囲の星のパターンを実際に写っている星に合うように回転させます。合わせてOKボタンを押すと
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ちょっと画面の下が切れてしまって見えていませんが、左の拡大領域にあるように緑の丸(天の北極)と赤の丸(赤道義の極軸)が表示されています。この二つの丸が重なるように赤道義の極軸の向きを微調整します。

これで終わりでも良いのですが、更に精密な極軸合わせの為に大気差を補正した極軸合わせも可能です。
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観測地の緯度経度、気温、気圧などを入力します。気圧はkPa単位なので、hPaの1/10の値を入れます。大気差は星の光が大気の屈折で高度が高い方にずれて見える効果を補正しますので、若干極軸の向きを下に向けなおす操作が必要です。

ざっと、PoleMasterの操作方法を書いてみました。
実際に手で合わせるのに比べてどうかと言うと、時間的にはちょっと微妙な感じです。これまでの方法での極軸合わせでは、極軸望遠鏡の中に北極星を導入するのに結構時間を使います。その点、画面に写した北極星を見ながらある程度の方向合せがすぐできるのは非常に便利です。疎調整もなれればすぐに終わると思います。しかし、微調整が結構大変です。特にEM-200では、極軸を左右に振る為に、押しネジ引きネジの要領で二つのツマミを操作して向きを変えるのですが、これの遊びが結構あるので、画面を見ながらだとなかなかにやり辛いです。また、この極軸合わせソフトは、設定値(大気差の緯度経度とか)を覚えてくれないのと、撮影ゲインを途中で変更できないなど、少々使いにくい所があります。

次回、撮影に行った時にはこれを使って極軸合わせをする予定ですので、精度はどうかなどの検証をしてみたいと思います。
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冨田勲

冨田勲氏が亡くなられました。

少し前に「イーハトーブ交響曲」などを制作されていて、NHKの特集番組に出演されていたのを見た時は、まだまだお元気そうだったのですが、大変残念な事です。ご冥福をお祈りいたします。

冨田勲氏と言えば「新日本紀行」のテーマ曲を作曲された方として有名ですね。

これは最近収録されたものだと思います。中間に「日本の素顔」のテーマ曲が挿入されています。このメロディーは母の実家(?)常陸太田の田園地帯に沈む夕日をイメージしながら作曲したと本人は書いています。これ以外にも大河ドラマ「勝海舟」などのオープニング曲や「今日の料理」のテーマ曲なども手掛けられていますが、何といっても冨田氏を有名にしたのは、シンセサイザーで演奏したクラシック曲の数々でしょう。私が最初に耳にした冨田氏のシンセ作品はドビュッシーのアラベスク第1番です。ニッポン放送の番組の中で「コハク色のひととき」というのがあって、そのオープニングとエンディングに使用されていました。

今は何でも検索すれば出て来ますねー(笑)。今までパーソナリティは草刈正雄だとばかり思っていたのですが、どうも違ったようです。

これを聞いて、冨田勲?シンセサイザー? ん?なんだそれ…と興味を持って聞き始めたのが始まりです。

冨田氏とシンセサイザーに関する話で有名なのが、購入当時、恐らく日本で最初に米国から輸入する事になったMoog IIIシンセサイザーが税関で足止めされ、「こんなもん楽器じゃないだろ!」と散々疑われたため、Moog社から「これは確かに楽器である」という証明書を取り寄せてやっとの思いで通過したのだとか。確かに↓これを楽器だと言われても疑いたくなる気持ちもわかります。
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Moog III-P

上記のようなタイプのシンセサイザーはモジュラー方式と言うのですが、電圧でコントロールされるオシレータ、フィルター、アンプなどのモジュールの集合体です。それらのモジュールの間をパッチコードと言う電線で繋いで音を作っていきます。

冨田氏のアルバムの中に「冨田勲の世界」という2枚組のLPがあります。今売られている同名のCDは全くの別物で、昔出ていた「冨田勲の世界」は、どうやってトミタサウンドを作っているかと言う種明かしを収録したものでした。その1番目が、ラベルの「ダフニスとクロエ」第2組曲の冒頭部分「夜明け」をどうやって作ったかを解説しています。

この「ダフニスとクロエ」は本人曰く、レコード会社からの評判があまり良くなかったそうです。なぜかと言うと全然電子音楽ぽくないからだとか。確かにストリングスは本物の弦楽器で演奏していると言われたら騙されてしまうかも知れません。で、「冨田勲の世界」ではこのストリングスの音を如何に作ったかが解説されているのですが、それを知った時の驚きと言ったら…

まず、鋸歯状波(のこぎり波、Saw wave)を音源にして一つの弦楽器に似た音を作ります。そしてそれを20回重ねますが、コピーではダメで1回1回重ねて行きます。そうする事でビブラートや音程の微妙な違いが生じて、あたかも何人もの人が演奏しているような効果が出て来ます。でもそれで終わりではなく、ステレオの左用、中心用、右用と同じものを3種類作るそうです。それにディレイやリバーブを施してストリングスパートの出来上がりとなります。その他、鳥が飛び交う効果音の作り方や、メロトロンを使ったコーラスの作り方などを解説していてすごく勉強になりました。

ところで、NHK「今日の料理」のテーマ曲の作曲者は冨田勲氏という事になっています。若き日の冨田勲氏がNHKのある部屋でたむろしていたところ、突然「明日から始まる『今日の料理』という番組のテーマ曲を作ってくれ」と言われたそうです。この「作ってくれ」というのは単に「作曲してくれ」ではなく、「番組で流せるモノを作ってくれ」という意味で、演奏して録音までしろと言う意味です。大急ぎでNHK内に居る演奏家を探したところ、マリンバ奏者とパーカッション奏者の二人が取りあえず確保できたそうです。今日の料理のテーマ曲がマリンバで演奏されているのはそういう経緯だったそうです。もちろんパーカッションは包丁の立てる音を模して入るウッドブロックの「タカタカ」という奴です。


「作曲者は冨田勲氏という事になっています」と書いたのは、多分これ冨田氏は「ヤラカシテ」しまったのではないかと思うからです。拝借元はヒューゴ・アルヴェーンのスウェーデン狂詩曲第1番「夏至の徹夜祭」。

もっともアルヴェーンの方もその部分はローカルな民謡から失敬しているそうなのでお互い様ということでしょうか。
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ディープ・ダイバー・スペシャルティを取得する

ディープ・ダイバー・スペシャルティを受講してきました。

趣味でダイビングをする際に必要になってくる「認定証」は、色々な団体が発行していて、更にランクの区分もいくつかあります。大体どこの団体でも似たような名前と似たようなレベルになるように申合せられているようです。PADIを例に挙げて説明しますと、一番最初がオープン・ウォーター(OW)と言うもので、以下、アドバンスド・オープン・ウォーター(AOW)、レスキュー・ダイバー(RED)、マスター・スクーバ・ダイバー(MSD)、ダイブ・マスター(DM)、インストラクターとランクが上がっていきます。OW~MSDまでがアマチュアで、お客さんの水中ガイドや講習実施などはDM以上が必要とされています。私が持っている認定レベルはPADIのMSDで、これはレスキュー・ダイバーを取得のうえ、「スペシャルティ」と言われる、例えば水中写真とか水中スクーターとか、色々なものに特化したトレーニングを5つ以上取得していると貰えます。私が持っているスペシャルティは、ドライスーツ、水中スクーター、水中写真、ボートダイバー、機材の5つでした。

さて、最近戦艦陸奥に潜ったりと何かと深い所に行く機会が多くなりました。一応、PADIでは自分が受けたトレーニングの範囲を超えるダイビングはしないように指導しています。AOWの講習の中にディープ・ダイビングも含まれていて、AOW以上であれば30mまで(OWなら18mまで)潜って良い事になっていますが、別にそれ以上深く潜ったとしても認定証を取り上げられる訳でもなく、ある程度経験を積んでいれば普通に30m以上の所に行かせてくれてはいます。とは言え、さすがに40mとなると、必要とされる経験値も高くなって来ます。また、ダイビングするたびにサービスで書かされる宣誓書のようなものにも受けたトレーニングレベルの範囲を逸脱しませんみたいなことを了承させられるのですが、厳密に言えばこの宣誓を守っていない事になります。
実質的にはほとんど必要ではなかったのですが、やはりこういう事はきちんとしておきたいと思いましたので、今回PADIのディープ・ダイバー・スペシャルティ(以下Deep SP.)を受講する事にしました。これを取得すると40mまでは大手を振って潜って良い事になります。

MSDを取得したのがん十年前ですが、それ以来講習などしていません。いつもお世話になっているサービスのオーナからは「なんで今更取ろうなんて思ったの?」と聞かれてしまいました。

Deep Sp.のトレーニング・ダイブは最低4本です。しかし、AOWの講習の際にやったディープ講習の1本をカウントしても良い事になっているので私は3本潜ればOKです。一日で済ませることも出来ましたが、体の事も考えて2日に分けることにしました。

場所は静岡県の駿河湾に面した大瀬崎。
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初日は5/4でものすごい強風です。写真の様に海は荒れているのですが、そこはさすがに大瀬崎。

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大瀬崎の岬に囲まれた湾内はこの様に波もほとんどなく静かです。伊豆半島では大瀬崎位しか潜れなかったのではないでしょうか?

講習は特にトラブルも無く無事に終わりました。湾内2本、岬先端1本を潜りました。今はテンポラリ・カード言う紙のカードですが、もう少しすれば写真入りのカードが郵送されて来ると思います。

私が行っている時にマンボウが出たらしいのですが、私が潜っていた時には遭遇できませんでした。
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プロフィール

夜行虫

Author:夜行虫
夜行虫とは天体撮影等、夜に出歩くのが多いことから名づけました。夜光虫の誤変換ではありません。海に潜ったり温泉浸かったりも趣味です。

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