夜行虫のつぶやき

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「サマータイム導入を面倒くさがる日本」だと?

大前研一氏の「産業突然死」の時代の人生論にて、「サマータイム導入を面倒くさがる日本」というタイトルで夏時間導入賛成論が展開されている。いつもの氏の主張には賛同することが多々あるが、今回の主張は全面的に賛同できないものである。

まず、本当に「面倒くさい」のである。部屋の中を見渡してみても、夏時間の切り替えごとに時計を調整しなければならない機械がいくつあるだろうか。壁・腕時計はもちろんのこと(それだけでも8個もある)、ビデオ、テレビ、オーディオの内臓時計、携帯電話、パソコン、炊飯器、FAX、空調器具、デジタルカメラ、etc. 電波時計は夏時間に対応するのだろうか?(注) 中には、取扱説明書を読まないとリセットの仕方が判らない物も多い。車のカーナビはGPSの電波を受信して時計を表示するが、内部ではUTCで処理をしていて、単にそれから9時間進んだ時刻を表示しているだけである。内部のソフトを夏時間対応にしてもらわないと、夏時間の間は1時間ずれた時刻を表示し続ける。

2000年問題で世の情報処理関係機関は上へ下への大騒ぎになったが、それに勝るとも劣らない混乱となる可能性は非常に高い。一説では、システム改修費用は1000億円とも1兆円とも言われるが、氏の言う「日本は変化に乏しいからいい刺激になる」「とりあえずやってみてだめならなおす」などという不明確な理由のためにそれだけのコストをかけてやる意味があるとはとても思えない。

氏は世界の様々な夏時間事情を紹介しているが、「何でそんな面倒なことを平気でやっているの?」としか思えない。私は逆に日本は夏時間廃止を世界に提案すべきだと思うのである。夏時間がなくなれば、世の時間管理のシステムも簡略化でき、低コスト化が実現できる。時計の針を進めたりする無駄な労働もなくなる。

「北海道が2時間も時計を早めたら、日付変更線のあと最初に開く市場ということで、世界中の金融機関が集まってくるに違いない。」などとも述べている。現在日付が変わって最初に開く市場はシドニー市場だが、取引量は極端に少なく、「最初に開く」ということに特に意味があるとは思えない。大体そんな時刻は多くの市場参加者は寝ていたり、ディナーの時間だろう。

「日が昇ってから2時間も寝ているのはもったいない」なら4時に起きれば良いだけの話。「もったいない」という誰かの個人的な価値観を全国民に強制しないで欲しいものである。

(注) 2008.7.17 追記
電波時計のタイムコードの中には「予備ビット」という2bitがあり、ここを夏時間フラグにすることが考えられている。ただし、あくまで予備であるので、市販の電波時計のどれだけがこのフラグを見ているのかは不明である。

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