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冨田勲

冨田勲氏が亡くなられました。

少し前に「イーハトーブ交響曲」などを制作されていて、NHKの特集番組に出演されていたのを見た時は、まだまだお元気そうだったのですが、大変残念な事です。ご冥福をお祈りいたします。

冨田勲氏と言えば「新日本紀行」のテーマ曲を作曲された方として有名ですね。

これは最近収録されたものだと思います。中間に「日本の素顔」のテーマ曲が挿入されています。このメロディーは母の実家(?)常陸太田の田園地帯に沈む夕日をイメージしながら作曲したと本人は書いています。これ以外にも大河ドラマ「勝海舟」などのオープニング曲や「今日の料理」のテーマ曲なども手掛けられていますが、何といっても冨田氏を有名にしたのは、シンセサイザーで演奏したクラシック曲の数々でしょう。私が最初に耳にした冨田氏のシンセ作品はドビュッシーのアラベスク第1番です。ニッポン放送の番組の中で「コハク色のひととき」というのがあって、そのオープニングとエンディングに使用されていました。

今は何でも検索すれば出て来ますねー(笑)。今までパーソナリティは草刈正雄だとばかり思っていたのですが、どうも違ったようです。

これを聞いて、冨田勲?シンセサイザー? ん?なんだそれ…と興味を持って聞き始めたのが始まりです。

冨田氏とシンセサイザーに関する話で有名なのが、購入当時、恐らく日本で最初に米国から輸入する事になったMoog IIIシンセサイザーが税関で足止めされ、「こんなもん楽器じゃないだろ!」と散々疑われたため、Moog社から「これは確かに楽器である」という証明書を取り寄せてやっとの思いで通過したのだとか。確かに↓これを楽器だと言われても疑いたくなる気持ちもわかります。
moogmodular3p-1968.jpg
Moog III-P

上記のようなタイプのシンセサイザーはモジュラー方式と言うのですが、電圧でコントロールされるオシレータ、フィルター、アンプなどのモジュールの集合体です。それらのモジュールの間をパッチコードと言う電線で繋いで音を作っていきます。

冨田氏のアルバムの中に「冨田勲の世界」という2枚組のLPがあります。今売られている同名のCDは全くの別物で、昔出ていた「冨田勲の世界」は、どうやってトミタサウンドを作っているかと言う種明かしを収録したものでした。その1番目が、ラベルの「ダフニスとクロエ」第2組曲の冒頭部分「夜明け」をどうやって作ったかを解説しています。

この「ダフニスとクロエ」は本人曰く、レコード会社からの評判があまり良くなかったそうです。なぜかと言うと全然電子音楽ぽくないからだとか。確かにストリングスは本物の弦楽器で演奏していると言われたら騙されてしまうかも知れません。で、「冨田勲の世界」ではこのストリングスの音を如何に作ったかが解説されているのですが、それを知った時の驚きと言ったら…

まず、鋸歯状波(のこぎり波、Saw wave)を音源にして一つの弦楽器に似た音を作ります。そしてそれを20回重ねますが、コピーではダメで1回1回重ねて行きます。そうする事でビブラートや音程の微妙な違いが生じて、あたかも何人もの人が演奏しているような効果が出て来ます。でもそれで終わりではなく、ステレオの左用、中心用、右用と同じものを3種類作るそうです。それにディレイやリバーブを施してストリングスパートの出来上がりとなります。その他、鳥が飛び交う効果音の作り方や、メロトロンを使ったコーラスの作り方などを解説していてすごく勉強になりました。

ところで、NHK「今日の料理」のテーマ曲の作曲者は冨田勲氏という事になっています。若き日の冨田勲氏がNHKのある部屋でたむろしていたところ、突然「明日から始まる『今日の料理』という番組のテーマ曲を作ってくれ」と言われたそうです。この「作ってくれ」というのは単に「作曲してくれ」ではなく、「番組で流せるモノを作ってくれ」という意味で、演奏して録音までしろと言う意味です。大急ぎでNHK内に居る演奏家を探したところ、マリンバ奏者とパーカッション奏者の二人が取りあえず確保できたそうです。今日の料理のテーマ曲がマリンバで演奏されているのはそういう経緯だったそうです。もちろんパーカッションは包丁の立てる音を模して入るウッドブロックの「タカタカ」という奴です。


「作曲者は冨田勲氏という事になっています」と書いたのは、多分これ冨田氏は「ヤラカシテ」しまったのではないかと思うからです。拝借元はヒューゴ・アルヴェーンのスウェーデン狂詩曲第1番「夏至の徹夜祭」。

もっともアルヴェーンの方もその部分はローカルな民謡から失敬しているそうなのでお互い様ということでしょうか。
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夜行虫とは天体撮影等、夜に出歩くのが多いことから名づけました。夜光虫の誤変換ではありません。海に潜ったり温泉浸かったりも趣味です。

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